かんしつ箱[蛇革]
佐々木岳人
2013
幅80×奥行80×高さ38mm
材料:漆(うるし)、油刺(あぶらざし)、和紙(わし)、銀(ぎん)、貝(かい)、乾漆(かんしつ)、変色塗(かわりぬり)、螺鈿(らでん)、蒔絵(まきえ)
一見すると革製品のように見えますが、実は乾漆技法で作られた箱です。蛇の皮をモチーフに漆で再現し、蓋を開けると、金粉を散りばめた漆で装飾された模様が現れます。

漆を塗り重ねることで、しなやかで美しい表面が生まれる一方で、時にその奥にあるものが見えにくくなることがあります。こうしたジレンマは漆芸ならではの魅力ですが、私たちの身の回りの様々な物事にも通じるものがあるように思います。例えばお金。数字で価値を測るには便利ですが、数字に囚われすぎると、その真の価値を見失ってしまうこともあるのです。
現代社会においては、表面的なことだけでなく、そうした「目に見えない部分」にも目を向けることが大切だと思います。同時に、目に見えないところに誠実さを求めることは、漆芸に限ったことではなく、日本の文化を支えてきた大切な精神なのです。
日本の職人技は長い歴史の中で磨かれてきました。
日本の職人が隠れた細部にまで注ぐ献身と配慮こそが、この製品をユニークで魅力的なものにしているのです。
日本の工芸作家として、これからも日本文化の本当の魅力を理解し、伝えていくために努力していきます。
——佐々木岳人
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