中川周士

アーティスト紹介

比良工房を主催する中川周士氏は京都の伝統的な木桶工房の三代目として生まれ、昔ながらの伝統技術を家業として代々受け継いできた。
1992年京都精華大学美術学部を卒業と同時に中川木工芸にて父・清司(重要無形文化財保持者)に師事。1996年京都美術工芸展 優秀賞受賞。1998年京都美術工芸展 大賞受賞。2001年から2005年まで、京都造形芸術大学非常勤講師として勤務。2003年滋賀県大津市に中川木工芸 比良工房を開く。2010年ドンペリニヨン公式シャンパンクーラーを制作。2015年神代杉KI-OKEスツールが英国ロンドンV&A美術館のパーマネントコレクションとなる。2017年第1回ロエベクラフトプライズにてファイナリストとなる。その他、国内外での個展、グループ展多数参加。
中川氏は言う。
和文化とは、個人を超えた「伝承」そして、自身を「アーティストではなく職人」であると言います。アーティストは個の表現が評価されるものであるが、職人は個の表現以上に「伝承」を大切にする。伝統工芸の職人には、先代、先々代から受け継いだ知識、技術が土台にある。自分のアイデンティティを超えた「伝承」こそ、和文化の本質であると。

メッセージ

木桶は、半世紀ほど前までは日本人の生活の道具として数多く使われていました。しかし現在では、工業製品の普及でほとんど使われなくなっています。私は、需要が減少してしまった木桶の存続を目指し、伝統的な木工の経験と大学で学んだアートやデザインをミックスして「新しい木桶」の開発をしました。木桶の基本構造は変えずに、現代の生活に合わせてデザインや使い方をアレンジした新しいスタイルの作品を創りだしました。

その「新しい木桶」は世界中で評価されています。‘KI-OKE Stool’は、英国のV&A博物館や、フランスの装飾美術館で永久コレクションに追加されました。2017年には、第1回ロエベクラフトプライスのファイナリストにもなりました。

伝統的な技術は、その技法や懐かしさだけではなく、現代社会においても重要な多くの価値を持っています。木桶を未来に残すということで、現代社会の持つ閉塞感や環境問題を解決するヒントを、未来につなぐことが私の挑戦であり使命だと考えています。

プロフィール

アーティスト名
中川周士

会社名
中川木工芸比良工房

活動エリア
滋賀県

2011年 ミラノサローネ(フォーリオサローネ)初出品 以後9回(ミラノ)
2012年 Maison & Object出展 以後3回パリ(フランス)
2013年 展覧会「Mingei: Are you Here?」 Pace Gallery(London&New York)杉本博司氏とコラボ作品
2015年 「L’ESPRIT D’ARTISAN」 にて個展 (パリ)
2016年 「KI-OKE スツール」V&Aミュージアムにコレクション(ロンドン)
2017年 第一回ロエベクラフトプライズ ファイナリスト (マドリッド)
2017年 「KI-OKE スツール」パリ装飾美術館にコレクション(パリ)
2017年 講演会&ワークショップ「匠の精神」北京日本文化センター (北京)
2018年 shokunin Five Kyoto Artisans Look to the Future ポートランド日本庭園ミュージアム
2018年 Japon-Japonismes. Objets inspirés, 1867-2018 パリ装飾美術館
2021年 第一回日本和文化振興プロジェクト 和文化グランプリ
2021年 第13回創造する伝統賞受賞 日本文化芸術財団