乾漆プレート[鉄錆]
佐々木岳人
2021
幅260×奥行260×高さ27mm
材料:漆(うるし)、油刺(あぶらざし)、和紙(わし)、銀(ぎん)、貝(かい)、乾漆(かんしつ)、変色塗(かわりぬり)、螺鈿(らでん)、蒔絵(まきえ)
一見すると金属製品に見えるが、実は乾漆技法で制作された板である。鉄の錆や溶接痕はすべて漆で再現されている。非常に軽量に作られているため、手に持った時の重量感のコントラストが、違和感を増幅させる。

漆を塗り重ねることで、しなやかで美しい表面が生まれる一方で、時にその奥にあるものが見えにくくなることがあります。こうしたジレンマは漆芸ならではの魅力ですが、私たちの身の回りの様々な物事にも通じるものがあるように思います。例えばお金。数字で価値を測るには便利ですが、数字に囚われすぎると、その真の価値を見失ってしまうこともあるのです。
現代社会においては、表面的なことだけでなく、そうした「目に見えない部分」にも目を向けることが大切だと思います。同時に、目に見えないところに誠実さを求めることは、漆芸に限ったことではなく、日本の文化を支えてきた大切な精神なのです。
日本の職人技は長い歴史の中で磨かれてきました。
日本の職人が隠れた細部にまで注ぐ献身と配慮こそが、この製品をユニークで魅力的なものにしているのです。
日本の工芸作家として、これからも日本文化の本当の魅力を理解し、伝えていくために努力していきます。
——佐々木岳人
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